• 電話058-371-7650
  • 住所〒504-0803 各務原市蘇原東門町2丁目78

コラム

鼓膜は、ダイアフラムである

ダイアフラムとは、圧力の作用に応じ、変位を生じる弾性隔膜のことであり、①圧力計②振動板③ポンプなどに利用する。(辞典から)

鼓膜は、ダイアフラムの一種である。
故に、鼓膜は①②③の物理的機能を持っている。

ダイアフラムの用途 鼓膜の機能 機能に影響する物理的特性
圧力計(ゲージ圧センサー) 外気圧の変化を知るセンサー(ゲージ圧センサー) バネの復元力
振動板(電話機、聴診器「A.E検査の振動板」)AcousticEmission 音波に対する振動板「OAE検査の振動板」AcousticEmission バネの固有振動数
ポンプ(ダイアフラムポンプ) 中耳調圧ダイアフラムポンプ バネの弾性エネルギーの蓄積と放出

耳科学が100年見落としてきた自然現象――私が問い続け、黙殺され続けた理由

10年ほど前、私は日本耳科学会の元会長であり、京都大学耳鼻咽喉科学教室の大先輩でもある山本悦生先生に、ひとつの質問を投げかけました。

「鼓膜のバネの復元力が、中耳調圧の原動力ではないのですか?」

先生は一瞬黙り、そして静かにこう答えました。

「それは関係していると思う。しかし中耳調圧に関しては、何の証拠もないのよ。だから、何を主張してもいいのよ。

私はその言葉に愕然としました。耳科学という分野が、100年近くの間、「中耳の圧力調整」という基本的な現象について科学的根拠を持たず、物理学的検証もなされてこなかったという事実が、そこにあったからです。

ページトップへ
文字サイズ